脱走(Update Edition)


6.逃避行の果てに

僕は、急いでエレベーターの中に乗り、ドアを閉めた。

そうか。わずかな手がかりから僕の目的地を突き止めた警察が、先回りして待ち伏せをしていたのだ。

とにかく逃げなければ。そう思った時、エレベーターのドアが開いた。僕はとにかく走り、自転車に飛び乗った。すぐさま自転車を動かし、僕は自転車を飛ばした。

そこら中で警察がサイレンを鳴らしている。そこら中で呼んでいる。人込みの中、僕はとにかく自転車を走らせ、隠れるのに適した場所を探した。

一瞬、僕の視界にパトカーが映った。後方を向いた時だった。僕はさらに自転車を走らせた。僕は方向を変えて右に曲がった。そしてひたすら走らせていると、隠れるのに適した場所を見た。

家と家の隙間。自転車1台がギリギリ通れる道。僕は真っ先にそこに向かい、狭い隙間に入った。その先に曲がり角があったので曲がり、家の後ろに行って隠れた。

パトカーも警官も通り過ぎて行った。ようやく休める…。そう思った僕は、自転車から降りた。

ところが、その矢先、誰かに首をしめられた。警察かと思ったが、服の色から警察ではないことが分かった。その時僕は口に何かを入れられた。そしてその時…

僕の、意識は、消失した。


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