脱走 Re:RIse(活字版)


プロローグ

2019年。令和元年にあたる年。その4月9日月曜日。日本国のほぼ中央に位置する岐阜県高山市。そこの弱小中学校である松倉中学校に、ある一人の生徒が入学しようとしていた。その男の名は、増田勉(ますだべん)。彼は、1風変わった人物だ。彼は他人との馴れ合いを嫌い、あまり口数が多くない人物だ。そのため、彼には多くの謎がある。住まい、親などなど。成績も、彼の成績を知る者は少ない。しかし、彼の成績は結構良かった。小学生とは思えないほど周到な計画がいい成績を叩き出していたのであろう。

こう語るのは、彼の唯一の友人である、清水春樹(しみずはるき)。彼は、算数や数学に精通しており、数学では並ぶ者はいない。しかし、他の教科は壊滅的であり、そこが悩みの種であった。彼はサイクリングが趣味であり、同じ趣味であった増田勉と意気投合。友人になることができたが、彼ですら勉の住所も親も知らない。

そんな変人である勉だが、口数が少ないことから、クラスでは目立たない存在だ。

だが、後にこの勉が、驚愕な事件を起こすことになるとは、誰も、知るよしもなかった。


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